@その1
木村艦長 登録アドレス1,400のメーリングリスト『いそいそフォーラム』をボランティアで主宰。某大手企業のISO9002、ISO14001、QS-9000、ISO/TS16949のシステム担当を経て、現在はBSIジャパンで審査員を目指して修行中。今回は「いそいそフォーラムの木村」の立場でこの企画に参加。 鈴木副長 自動車部品製造会社でマネジメントシステムの設計・運用・改善に従事するとともに、執筆・講演などを通じて情報を発信している。企業内では、環境マネジメントシステムと労働安全衛生マネジメントシステムの全社事務局を担当。また、品質マネジメントシステムの構築に参画する。


to: 鈴木信吾
from: 木村忠道
subject: 謹賀新年
木村艦長
今年も、どうぞよろしくお願いします。>副長 m(_._)m

さて、新年最初のお題は
「Quality objectives(品質目標)をもし意訳、異訳するなら・・・」
だそうです。
このネタで4往復の会話が成り立つかどうか不安ですが、
いつものようにテキトーに脱線しながら話を進めていきましょう。(^^)

まずは、"objective"という単語が、ISO9001、ISO14001で
どう訳されているかを整理してみますね。

  ISO9001 ISO14001
**目的 (な し) objective
**目標 objective target
**部:ISO9001の場合は「品質」、ISO14001の場合は「環境」

私は、和訳のISO9001を経て和訳のISO14001に取り組んだ者なので、
私の目には「ISO14001では、ISO9001にはなかった(環境)"目的"が、
(環境)"目標"の上位に挿入された」というように見えます。

でも、最初から原文でISO9001を経てISO14001に取り組んだ方の目には
「ISO9001にはなかった(環境)"目標"が、(環境)"目的"の下位に挿入された」
と見えるンでしょうねぇ。
そして、多分こちらの受け止め方の方が正しいのでしょう。

以上の考察を前提に、
まずは悪ノリせずに「最適な訳」についての私の考えを述べさせて頂くと、
訳の変更による混乱を最小限としつつ原文に対する訳として最適なものとするためには、
これらの単語を以下のように訳せばよいと思います。

現在の訳 木村の変更案
品質目標 品質目的
環境目的 環境目的
環境目標 環境目標

まずはこんなトコで・・・。 (^^)


to: 木村忠道
from: 鈴木信吾
subject: 迎春
鈴木副長
こちらこそ今年もよろしくお願いします。>艦長 m<(_!_)>m

「最適な訳」についての艦長の見解には何の異存もありません。
日本語の「目的」と「目標」の意味から考えても、
「objectives」は「目的」とする方が合うように思えます。
ちなみに広辞苑によれば、
「目的」は「成し遂げようと目指す事項」とあり、
「目標」は「目的を達成するために設けた、めあて」とあります。
この日本語の意味にISO14001はピッタリと当てはまるし、
ISO9000についても「quality objectives」の定義
(品質に関して、追及し、目指すもの)に照らしても、
「品質目的」と訳出する方がふさわしいように思えます。

では何故にJIS訳は「品質目標」としたのか?
というマニアックな疑問も沸いてきますねぇ。
JIS訳の経緯は知りませんが、案外“すわり”が良かったからかもしれませんね。
目標達成というセリフは良く聞きますが、
目的達成とはあまり言いませんもンねぇ。
例えば、JIS Q 9001の5.4.1品質目標の最終文は
「品質目標は、その達成度が判定可能で・・・」とあり、
日本語として読みやすい文だと思います。

でも、品質目的を採用して
「品質目的は、それを遂げた程度が判るように・・・」
と訳出することもできると思いますので、
やはり真相は深窓の内ですねぇ。 (^^ゞ

ところで、異訳を一つ考えてみましたのでご披露します。それは・・・

『品質について「私たちはこうなるんだ!」と決めたもの』 です。(^^)

これを先の文に用いると・・・
「品質について「私たちはこうなるんだ!」と決めたものは、その達成度が判定可能で・・・」
おーっ、案外つながるではありませんか。 (^_^)v