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@その1 |
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木村忠道
登録アドレス1,400のメーリングリスト『いそいそフォーラム』をボランティアで主宰。某大手企業のISO9002、ISO14001、QS-9000、ISO/TS16949のシステム担当を経て、現在はBSIジャパンで審査員を目指して修行中。今回は「いそいそフォーラムの木村」の立場でこの企画に参加。 |
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[今月のゲスト]宇野通
いそいそフォーラムメンバー。ISO審査員 兼 コンサルタント。コンサルタントとしては、(株)ケイ・シー・シーに所属化学工場でISO9001認証取得の指揮を取り、その後脱サラして今の仕事につく。Webページ「らくらくISO9001講座」を主催し、中小企業が自然体で取組める、楽チンで役に立つISOを推進している。
同Webページで公開されている「口語訳ISO9001:2000」は、アイソス2002年10月号に掲載されて評判を呼んだ。
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鈴木信吾
自動車部品製造会社でマネジメントシステムの設計・運用・改善に従事するとともに、執筆・講演などを通じて情報を発信している。企業内では、環境マネジメントシステムと労働安全衛生マネジメントシステムの全社事務局を担当。また、品質マネジメントシステムの構築に参画する。 |
to: 宇野通 ; 木村忠道
from: 鈴木信吾
subject: 評価指標が人の行動を変える!
今月のお題を頂戴して、ふと思い出した光景があります。
サッカーでアテネ五輪出場を勝ち取った山本ジャパンのゴールシーンで、
山本昌邦監督が提唱する「ボールを奪ってから15秒以内にシュート」が決まった瞬間です。
ゲームに勝つという目標は同じでも、スタイルはチームによって様々です。
ゲームを分析し、スタイルをデザインし、選手を選び導くのが監督だとすれば、
山本監督が「ボールを奪ってから15秒以内」と時間を指標として示したように、
監督の描くプレーができているかどうかを選手自身が判断できる指標を示すことは
チームの成績を左右する重要なことだろうと思います。
同じように企業活動においても「うまい指標」を設定することは、
良い成果をスピーディに達成するためのキー・ファクターだと思います。
評価指標をどう設定するかで、人や組織の行動が変わり成果を左右するわけで、
評価指標はマネジメントシステムの重要な要素なのです。
それでは、ISOの審査登録のシーンではどうかと言えば、
指標については、あまりクローズアップされないのが実情だと思います。
ISO9001やISO14001では品質目標や環境目的・目標を設定すること
の要求はありますが、その管理指標については言及していませんからね。
今回のお題は、ISO9001やISO14001といった審査登録用の規格からだけでは
語りつくせないテーマだと思います。
そこで、と言うか、偶然にも、と申しますか、
今月はスペシャルゲストとして宇野通さんをお招きしております。
宇野さんは、月刊ISOSに掲載された「口語訳ISO9001」の作者で、
いそいそフォーラムのメンバーでもあります。宇野さんのコンサルタント経験などから、
興味深いお話が聞けるものと期待しています。
それでは、宇野さん、よろしくお願いします。 (^^)
to: 木村忠道 ; 鈴木信吾
from: 宇野通
subject: こんにちは、宇野です。
木村さん、鈴木さん、ゲストに招いていただいてありがとうございます。
今回のお題の「評価指標」は、いつも模索している点です。
この往復書簡をきっかけに、良い方法が見つかればいいなと思っています。
ISO9001やISO14001ではハッキリ管理指標には言及していないのですが
マネジメントシステムを構築する立場では、様々な指標を設定することになります。
やはり、規格が指標を求めているんでしょうね。きっと。
ISO9001では、4.1c)で
「プロセスの運用及び管理のいずれもが効果的であることを確実にするための
必要な判断基準及び方法を明確にする」と言っており、
プロセスアプローチに従って監視をしようとすれば、
管理指標を設定することになります。
個別の要求としても
5.4.1(品質目標)品質目標は判定可能
7.4.1(購買プロセス)では供給者の選定、評価及び再評価の基準
などとあり、
規格は直接求めていないけど、
6.2(人的資源)の個人の力量評価にも指標がいりますね
8.2.1(顧客満足)でも、何かあった方が説明はしやすい
8原則の一つにも「意思決定への事実に基づくアプローチ」があるから、
従来の勘と経験に基づく管理から、客観的な指標に基づく管理へと
変えるように勧めているんでしょうね。きっと。
でも、形のある製品の合否判定基準ならともかく
プロセスの監視の指標となるとなかなか上手く行きません。
往々にしてその管理指標は、審査のためのセレモニーになってしまう。
供給者の評価の指標など、点数化する会社がたくさんありますが、本当に機能していたためしはありません。
勘と経験で結論を決め、それに合わせて点数を操作するだけ。
個人の力量の評価も、本当は勘と経験で人員配置をやっているのだけど指標を作るのが難しいので、
意味のないダミーの評価項目(公的資格の有無とか、経験年数とか)を設定したりする。
顧客満足も、形ばかりのアンケート。
8.2.3(プロセスの監視及び測定)で、主要プロセスと監視項目の一覧表なんぞを
作っても、品質マニュアルの飾りにすぎない
ISOの現場では、理想と実態はなかなか合わないです。
そこで、中小企業で「らくらくISO」を推進する私などは、管理指標をなるべく使わないシステムを工夫するわけで。
例えば、供給者の評価は、枠だけ作っておいて、誰に紹介されたとか、どこの会社と取引しているかとか、
製品の実物を見てどうだったとかを文章で書いて、勘と経験で、エイヤと合否を決める方法を勧めています。
「意思決定への事実に基づくアプローチ」からどんどん外れてゆく・・・・・・
やはり、関係者の動機付けになるような「うまい指標」を開発しなければ一段レベルの高い、
有効なマネジメントシステムになりませんね。
という訳で、その中身は1ヶ月かけて考えることにして、木村さん、ひとまずお願いします。
to: 鈴木信吾 ; 宇野通
from: 木村忠道
subject: カンペキな世界地図づくり
宇野さん、公開往復書簡へのゲスト出演を快諾して頂き、どうもありがとうございます。(^^)/
1ヶ月間、よろしくお付き合いくださいませ。
しかしまあ、今回のお題は実に難しいですねぇ。(しみじみ)
「この指標の値さえ押さえておけば、あとは何も気にしなくてもバッチリ大丈夫っ!」
と誰もが認める「勧善懲悪の絶対評価指標」を見い出すことができれば、それが、宇野さんのおっしゃる・・・
関係者の動機付けになるような「うまい指標」…となるのは云うまでもないことだと思いますが、私自身、
そんな指標に遭遇したことも、それを思いついたこともありませんからねぇ。
ということでまずは、私が被審査組織の人間だった時代の、
評価指標についての「おもいで」をご披露申し上げましょう。
評価指標を設定し、
それによって得られたデータを分析・評価する段階に差し掛かった時、私はしばしば・・・
この評価指標の値が高い(低い)ことはヨイことなのか?それとも悪いコトなのか?が判らなくなる。
という状態に陥っていたことを自白します。
例えば「一回の内部監査で指摘された不適合件数」という指標が判りやすい例です。
仮に今回の内部監査における不適合の指摘件数が前回よりも増えたとして、
その事実をどう受け止めるべきか? という命題です。
これを「システムが劣化している」と捉えるべきでしょうか?
そうではなく「内部監査員のレベルが向上している」と捉えるべきなのでしょうか?
あるいはその両方なのでしょうか?
もしもその両方の要因があるのなら、それぞれの要因の「寄与率」はどの程度なのでしょうか?
それはどうすれば判るのでしょうか?考えれば考えるほど判らなくなります。 (?_?)
こう考えてみると「勧善懲悪の絶対評価指標」なんてモンは、
実際には存在し得ないのかもしれませんねぇ。
ソモソモ指標とは、現実の世界のディメンジョンをn本減らしてつくるものでしょうから、
本当は立体である地球の表面を二次元空間上で表現する時に・・・
地球をメルカトル図法で表現すれば高緯度地方がバカデカくなるし、
さりとてグード図法で書けば海に亀裂が入る・・・
あ゛〜っ! どっちもイヤだぁーっ! 俺はカンペキな世界地図をつくりたいんだぁ!
うぉぉぉぉーっ!
…と悩むのと同じコトなのかもしれませんねぇ。 (^^ゞ
つまり、評価指標とは「ある側面を意図的に不正確にしなければつくれないモノ」なのでしょう。
問題は、その評価指標をつくった本人が「ナニを不正確にしたのか判っているのか?」でしょうねぇ。
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